歯周病に対し、ブラッシングを怠った方が発症するというイメージを持っている方は少なくないでしょう。
実際こちらは間違いではないのですが、実際にはさまざまな因子が複合した結果、歯周病のリスクは高まるようになっています。
今回は、歯周病を引き起こす3種類の因子について解説します。

微生物因子

微生物因子は、文字通り口内の微生物のことを指しています。
具体的には、歯周病の原因となる歯周病菌のことです。

歯周病は感染症の一種であり、歯周病菌に感染することで発症し、歯茎が炎症を起こしたり出血しやすくなったりします。
そのため、口内の歯周病菌を減らさない限り、症状が良くなることはありません。

また口内に付着したプラークや歯石は、歯周病菌の温床です。
これらをブラッシングや歯石取りで除去することにより、歯周病菌の少ない口内環境がつくられます。

環境因子

環境因子は、歯周病を発症しやすい環境をつくりだしてしまう環境です。

例えば喫煙は口内の唾液量を減少させ、自浄作用を低下させるため、環境因子に該当します。
また単純に口内のブラッシング不足、歯周ポケットの深さ、プラークの付着量などもこちらの因子に該当します。

さらに日頃抱えているストレスや、定期検診に通わないことなども、歯周病のリスクを高めてしまう環境因子です。

ちなみに悪い噛み合わせや歯ぎしり・食いしばりについては、環境因子に含まれる場合と、咬合因子という別のカテゴリに分けられる場合があります。

宿主因子

宿主因子は、歯周病の発症に影響を与える個人の体質や状態を指す言葉です。
例えば年齢や歯の本数、糖尿病や遺伝などが宿主因子に該当します。

年齢を重ねると、歯茎の免疫力が低下してプラークが溜まりやすくなり、歯周病のリスクが高まります。
また歯の本数が少ない場合、歯と歯の感覚が広くプラークが溜まりやすくなったり、歯を支える骨が薄くなったりして、歯周病を発症しやすくなります。

ちなみに、生まれつき身体を守る防衛軍である白血球などの力が弱いと、歯周病をはじめとする感染症にかかりやすくなる場合もあります。

最後に

今回の記事のポイントは以下になります。

  • 口内の歯周病菌を減らさない限り、歯周病の症状が改善することはない
  • プラークや歯石は歯周病菌の温床であり、ブラッシングや歯石取りで除去する必要がある
  • 喫煙やブラッシング不足などは、歯周病における環境因子に該当する
  • 年齢や歯の本数、糖尿病や遺伝などは、歯周病の発症に影響を与える宿主因子

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!