QRコード決済で国内シェア約6割を誇るPayPayですが、近年、利用を停止する店舗が増えています。その主な理由は、導入当初にはなかった**「コスト」と「運用負荷」の増大**にあります。
- 利益を削る決済手数料 かつては無料だった手数料(1.60%〜1.98%)が有料化され、さらに月額基本料がかかるプランも登場。物価高騰に苦しむ個人店にとって、数%の手数料が経営を圧迫する要因となっています。
- キャッシュフロー(資金繰り)の悪化 標準の入金サイクルが月1回のため、手元資金が不足し、仕入れや賃料の支払いに支障をきたすリスクがあります。早期振込には追加手数料がかかるため、店舗側にはジレンマが生じています。
- 現場のオペレーション負担 レジ締めの複雑化、通信障害時の対応、頻繁な仕様変更(2025年からの他社クレカ連携停止など)に伴うスタッフ教育が、大きな負担となっています。
- 集客メリットの希薄化 普及しすぎたことで「PayPayが使える」だけでは他店との差別化にならなくなり、集客効果よりもコスト増のデメリットが目立つようになりました。
【結論】 圧倒的なユーザー数は魅力ですが、店舗側は「集客力」と「利益率・事務負担」を天秤にかけ、あえて「現金商売」に戻すという選択肢を検討し始めています。
以下、記事の詳細
近年はキャッシュレス決済の普及が進み、クレジットカードが中心ですがQRコード決済も年々増えつつあります。
QRコード決済には多くの種類があり、シェアが最も大きいのがPayPayですが最近ではPayPayを止める店舗が増えつつあるのです。
なぜPayPayを止める店舗が増えてきているのか、理由について解説します。
なぜPayPayを止める店舗が増えているのか
QRコード決済は非常に多くの種類があり、店舗で対応している支払方法が異なるため事前に確認する必要があるでしょう。
中でも最も多くのシェアを持つのがPayPayで全体の約6割を占めているのですが、最近になってPayPayを止めてしまう店舗が増えています。
なぜ止める店舗が増えているのかというと、まず最も多いのが手数料の負担の重さがあるでしょう。
クレジットカード決済やQRコード決済などのキャッシュレス決済のほとんどは手数料がかかるのですが、手数料はかか宇に添加されず事業者が負担しています。
決済方法によって手数料は異なりますが、PayPayの場合は現時点で決済金額の1.98%か1.60%が手数料となるのです。
決済金額の1~2%程度と聞くと少ないように思えるかもしれませんが、食材や光熱費が高騰している現在では1~2%でも大きな負担になります。
特に価格へと反映できておらず経営にも余裕がないような個人店にとっては、手数料が利益の中に占める割合が大きくなってしまうのです。
PayPayの利用を取りやめることは即座にコスト削減へとつながることから、まずは現金のみの支払いに戻そうと考えます。
また、PayPayによる支払い分は毎月1回にまとめて入金されるため、入金のタイミングによっては資金がショートしてしまう可能性もあるでしょう。
店舗経営には仕入れ代金の支払いやテナント料などの経費が掛かるのですが、タイミングが合わなければ支払いが間に合いません。
PayPayには翌日に入金される早期振込サービスもありますが、手数料が0.38%かかりさらに振込料も負担しなくてはならないのです。
また、レジ締めの際に現金とクレジットカード利用分、QRコード利用分に分かれるため計算が難しくなってしまいます。
PayPayの場合は通信障害があると決済できずレジが止まってしまうこともあり、きちんと決済できるようスタッフの教育なども必要になるでしょう。
運用に際してコストもかかり、負担も増えてしまうため耐えられなくなって止める店舗も増えています。
また、PayPayでの取引はクラウド上に全ての履歴が残るため、一部の売り上げを除外することは難しいのです。
現金だけの支払いに戻すことで、一部の売り上げを申告しないグレーゾーンでの帳簿操作が可能となります。
昔から、会社員の給与所得は全て把握できるものの自営業者の事業所得は5割しか把握できず、農業所得は3割、政治家は1割しか把握できないといわれているのです。
トーゴーサンピンといわれ、税務署ではすべての所得が把握できるとは限らず所得の不公平さを嘆いたことで言われるようになりました。
特に飲食店などは厳禁商売が多いため、税務署も売上額や利益を追跡するのが困難となるため、把握できる範囲はより少なくなるのです。
把握しづらい厳禁商売では、来客数やタオル、割りばしなどの消耗品の数をカウントすることで売り上げを推測するという地道な調査を行うことになります。
当然、ほとんどの店舗経営者はきちんと申告して納税しているはずですが、現金しか使えない店は脱税の疑いが高いとも言われていて顧客心理に影響を与えているのです。
PayPayのメリットとデメリット
PayPayを止める店舗が増えているとはいえ、まだ利用できる店舗や今後導入する店舗において、どのようなメリットやデメリットがあるのかを解説します。
まずメリットとなるのが集客力で、国内のユーザー数が6,000万人を超えるPayPayは看板を出しているだけでPayPayを主に利用する人を呼び込むことができるでしょう。
PayPayでは定期的にキャンペーンを行っているため集客につながりやすいのですが、対象店舗が多いため差別化するのは難しいかもしれません。
また、財布を持たずクレジットカードやQRコードだけで決済している現金否定派の方が来たときも、帰られてしまうようなことはないでしょう。
また、決済手数料が負担になっているとはいえ、クレジットカードは3%台の手数料がかかるのに比べると安く済みます。
初期コストも、スマホと専用のQRコードさえあればすぐに始めることができ、端末などを購入する必要がなく初期コストゼロで始められるのです。
PayPayではPayPayグルメのような送客施策やPayPayアプリ内のバナーなどで露出を強化することもできます。
PayPayでの支払いは金額をぴったり支払うためつり銭ミスが起こることはなく、多額の現金を置く必要がないため現金が盗難されるリスクも軽減できるでしょう。
ただし、デメリットとしてまず2021年10月から転換された手数料の有料化があり、無料で始めた人にとってはかなりの不満となりました。
また、手数料には月額プランがあり、ライトプランは月額1,980円が固定費としてかかってしまうのです。
ライトプランに加入することで手数料が下がるのですが、取引高が少なかった月は赤字になってしまうかもしれません。
また、PayPayはたびたび仕様が変更されていて、2025年1月からはクレジットカードに非対応となってしまったのです。
仕様が改定されるたび、実際の操作を行う従業員は変更点について確認が必要となり、負担は増えてしまいます。
現金であればかからない手数料などの費用が必要となってしまうというのが、デメリットの中でも特に大きいでしょう。
普及する前であれば集客効果にも期待できたのですが、導入している店舗も増えている今では集客メリットがかなり薄れてしまいました。
最後に
PayPayはQRコード決済のシェアとしてはトップで国内でも6,000万人以上が使用しているのですが、最近ではPayPayでの支払いを止める店舗も増えているのです。
原因として大きいのが決済金額に応じた手数料で、2%以下ですが経営に余裕がない場合は大きな負担となり、入金も月1回だけなので支払いに間に合わないこともあります。
デメリットも色々とあるのですが、メリットもあるのでどちらがいいかをよく考えて決めましょう。

※上記は、一つの例になります。幼稚園や保育園のような事業所もあれば、お昼頃まで支援しているところや朝から夕方まで預かっているところなどそれぞれです。また、事業所によっては送迎をしているところもあります。