虫歯を発症したとき、すぐ歯科クリニックに来院できれば良いですが、必ずしもそれが実現できるとは限りません。
またこのような場合に、虫歯の民間療法を試そうと考える方もいますが、果たしてこちらは効果があるのでしょうか?
今回は、主な虫歯の民間療法における実態について解説します。

重曹うがい

重曹うがいは、文字通り重曹を使用してうがいをするという民間療法です。

重曹は弱アルカリ性のため、虫歯の原因となる酸を中和する効果が期待できます。
また口内を殺菌してくれる効果もあります。

しかし重曹には研磨作用があるため、歯のエナメル質が傷つき、虫歯の原因になってしまうことが考えられます。
さらに、重曹の刺激により、歯茎や粘膜に炎症や痛みなどを引き起こす可能性もあります。

そのため、基本的に重曹うがいは避けることをおすすめします。

梅干しを歯に貼り付ける

痛い歯に梅干しを貼り付けるという方法も、古くからある虫歯の民間療法です。

こちらは梅干しに含まれるクエン酸が虫歯菌の増殖を抑えたり、唾液の分泌を促したりすることで、虫歯を予防できるというものです。
また梅干しの塩分にも、口内の殺菌作用があるとされています。

しかし、クエン酸には歯のエナメル質を溶かしてしまう可能性があります。
特に長時間口内に貼り付けると、悪影響が大きくなります。

その他、梅干しを貼ると歯の表面がやわらかくなり、すぐブラッシングをした場合に表面が傷つくリスクが高まります。

虫歯を予防するには、なるべく口内が酸性になる時間を減らし、なおかつ歯へのダメージを防ぐ必要があるため、こちらの方法もおすすめできません。

痛む歯でネギを噛む

虫歯の民間療法としては、痛みがある歯でネギを噛むという方法も挙げられます。

ネギは古くからさまざまな体調不良に役立てられてきたもので、虫歯の歯で噛むことによって唾液の分泌量が増加し、殺菌効果が得られるとされています。
またネギに含まれるアリシンという成分にも、殺菌効果が期待できます。

しかし、アリシンは歯や歯茎に刺激を与え、虫歯のような敏感な歯は痛みが強くなる可能性が高いです。
さらに、口臭を引き起こすことも考えられます。

まとめ

虫歯にはさまざまな民間療法が存在しますが、これらは総じて一長一短のあるものです。
そのため、効果についてはそこまで期待すべきではないと言えます。
またあくまで民間療法であるため、実践しても虫歯が治るわけではありません。
歯に穴が開くほど進行した虫歯は、歯科クリニックで歯を削らなければ治らないため、早急な通院が必要です。