皆さんは、自分の気持ちが思うように伝わらない時はどうしますか?
さらに、そのやるせない気持ちが、言葉にも文字にも表せない状況にあったとしたら、どうするでしょうか?
重度自閉症の少年、イド・ケダーさんは長年そういう状況で生きてきました。
それはまさに沈黙の世界です。
今回は、15年の歳月を経て綴った彼の自叙伝から、自閉症患者の世界観をお伝えしたいと思います。
自閉症患者の世界観
ここではまず、自閉症患者の世界観についてお伝えしたいと思います。
早速、実際の著書を読んでみましょう。
「ぼくは幼いころから字が読めた。書くこともできた。
ただ指が不器用すぎてそのことを示せなかった。
学校ではABCのテープを何度も何度も聞かされ、1+2=3の足し算を何度も何度もやらされてすわっていた。
悪夢だった。心底うんざりしていた。
そのせいでぼくの内側は死んでしまった。」
『自閉症のぼくが「ありがとう」を言えるまで』イド・ケダー著/ 入江真佐子訳/ 飛鳥新社
いかがでしょうか。
自閉症患者がいかに孤独であるか、お分かり頂けたのではないでしょうか。
私たちは長い間、彼らに対し、勘違いしていたのかもしれません。
それはものすごく、彼らの自尊心を傷つける行為だったに違いありません。
本を読んで初めて、その精神世界が分かったという人も多いかと思います。
では、自閉症の方々の心のケアとして、私たちにできる事には何があるでしょうか。
周囲の協力を得ながら子供の学習意欲を促進しよう!
上記のイド・ケダーさんのように、実際は何の問題もなく学習ができる場合は、そのままにしておくと心がすさんでいってしまいますよね。
そうならないためにも、早期発見が大切になります。
まずは医師に相談し、子供がどういった困難を抱えているのか明確にする事で、今後の育児方針が見えてくるでしょう。
コミュニケーションが困難ならば、知能テストを受けさせるのも一つの方法です。
テストの成績次第では、よりレベルの高い課題に取り組むこともできるでしょう。
子供に自分のペースで学習する自由を与える事で、知的好奇心が刺激され、学習意欲が促進されます。
ポイントとしては、子供の失敗に否定的にならない事です。
他人を傷つけるような事はいけませんが、知的リスクをおかす事は大いに賛同するようにしましょう。
定型発達の子供と比べず、広い心を持つ事が何よりも大切なのではないでしょうか。
自閉症の場合、コミュニケーション能力が極端に欠落している場合が多いため、どうしても他人から勘違いされやすい状況にあります。
周囲の協力を得る根拠としても、テストを受けるのは有効だと言えるでしょう。
まとめ
今回は、イド・ケダーさんの自叙伝から、自閉症患者の世界観をお伝えしました。
私たちも、思っている事が上手く伝わらない時、相手に勘違いされている時、やるせない気持ちになりますよね。
本記事から沈黙の世界がいかに孤独か、お分かり頂けたのではないでしょうか。
自閉症の方々が今後、快く生きていくためには、双方歩み寄る必要があるのではないかと思います。
得意分野を見つけ、学習意欲を促進していきたいものです。