発達障害の人の多くは、音に対して過敏に反応し、極端に疲れてしまうという困りごとを抱えています。
その場合、どういった工夫をすれば苦しみを軽減できるのでしょうか。
本記事では、NHKの番組『発達障害って何だろう』へ寄せられた投稿を参考に、上記のような問題に向き合っていきたいと思います。

音で疲れるとは?

まずは、実際にNHKの番組ホームページへ寄せられた投稿を見ていきましょう。
音で疲れるとは一体、どのような状況なのでしょうか。

「音に敏感です。特に至近距離での話し声、公共交通機関で大声で話す人の声などを聞くと背中をトンカチでガンガン叩かれているような感覚になります。子どもの頃からずっと聴いている歌手の音楽を、場合に応じて音量を調整して聴くと、楽になります。また、外出するときは極力空いている時間を狙うようにしています。
(ぬこ 女性20代 埼玉 当事者)」

参考URL:
http://www1.nhk.or.jp/asaichi/hattatsu/torisetsu/cat_hearing.html

投稿者「ぬこさん」のような状況では、日常生活を送るのも困難ですよね。
とはいえ、騒音を含め、周囲に一切音を出さないで欲しいというのも無理があるでしょう。
このような場合は、どうすれば良いのでしょうか。

音で疲れるタイプの対処法

今ご紹介した「ぬこさん」も、慣れ親しんだ音楽を聴いたり、混雑を避けたりする等の対策を取っていますよね。
他には、どのような対処法があるでしょうか?

自分でできる工夫としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 買い物は極力、通信販売を利用する
  • テレビの音声を最小限にする、もしくは字幕にする
  • 外出時は騒音が気にならないよう、ヘッドフォン等を携帯しておく

周囲の協力を得るためには、以下のようなお願いをしておきます。

  • いきなり大声を出さないようにしてもらう
  • 集団生活の場では、騒音の少ないクールダウンスペースを確保してもらう
  • 避難訓練時の非常ベルは、事前に時間帯を教えてもらう

とりわけ、不安や疲労を感じると極端な症状が出やすいため、集団生活においてはリラックスできる環境を整えていく必要があるでしょう。

まとめ

今回は、発達障害の人の「音で疲れる」という困りごとに向き合ってみました。
苦手な音というのは人によって異なりますから、一人ひとりに合わせた対応をしていく必要があるでしょう。
その中には、掃除機の音や水洗トイレの音、授業のチャイムなど、一般的な生活音も多く含まれる為、なかなか理解されにくいのが現状です。
周囲の人は是非とも、心ない言葉ではなく暖かい言葉がけをしていきたいものです。