子供の学習面で不安を覚えている親御さんはいませんか。
学習習慣というのは保護者の協力のもと、新しいお友達ができるなど、新生活に慣れると次第に身についていくものです。
しかし症状が顕著な場合、LDの可能性があります。
今回は、3タイプある発達障害LDの中から、ディスカリキュア(算数障害)について解説しましょう。





ディスカリキュアの特徴

LDの一つディスカリキュアとは、算数障害の事を指します。
算数障害とは、“数字”や“数式”の扱い、また、考えて答えにたどり着く“推論”を苦手とする障害です。
例えば、基本的な数字の他、「+・-・×・÷」といった記号を認識する事にも困難があります。
ただし、数に関する能力にだけ困難を感じている人が多い為、算数の学習が始まってから発見される場合がほとんどです。

具体的には次のような特徴があります。

  • 数の大小が分からない
  • 単純な記号や数字が理解できない
  • 文章問題や図形問題、グラフが分からない
  • 数を覚えるのに時間がかかる
  • 九九を覚える年齢に到達していても習得できていない。また、使いこなせない。
  • 筆算の繰り上げや繰り下げが苦手

このように、算数や推論に様々な困難が生じるのが、ディスカリキュアの特徴です。

ただし、学習面は一朝一夕に成し得る事ではありませんので、すらすらと進まないからといって一概に学習障害とはいえません。
実際に、障害がなくとも、文章問題や図形問題を苦手とする子供は数多くいます。
特に、数字の概念は身に付くまでに時間がかかるでしょう。
学習習慣が身に付くまで、そしてできればその後も親御さんが宿題を見てあげる事が大切です。

しかし、子供と一緒に学習しても極めて困難な場合、一つの判断基準として「ワーキングメモリーが弱いかどうか」を確認してみましょう。
学習障害において記憶するのが苦手な場合、形や文字をなかなか覚えられません。
また、推論が苦手な場合、概念や規則性の認識が難しい場合もあります。

  • 文章題を読んでも、そもそもの意味を理解できない
  • グラフや図形などからイメージする事ができない

このような場合は、専門機関を受診する事をおすすめします。

ディスカリキュアの治療

皆さんもご存知かと思いますが、LDは知的障害ではありません。
先天的な脳障害の中でも、中枢神経のトラブルが障害を引き起こしているという説が現状有力な為、根絶治療はできませんが、学習環境を整えてあげる事で対処法が見つかるケースもあります。

学習障害の場合、聞きながら書く、読みながら理解していく、といったマルチタスクが苦手です。
したがって、問いをなるべくシンプルにするよう、工夫してみましょう。
また、Yes-Noクイズのように一つ一つ仕上げていく形式も良いです。

数の概念については、学習障害でなくとも定着までに時間がかかります。
例えば、“1”という数字と、“そこにものが1個ある”という事が結びつくまでには、それなりの時間を必要とするのです。
大人にとっては当たり前で、これ以上教えようがない…と落ち込んでしまいがちですが、その子の歩幅に合わせながら、ゆっくり進めましょう。

まとめ

今回は、3タイプある発達障害LDの中から、ディスカリキュアについて解説しました。

ディスカリキュアは、算数や推論に困難が生じます。
特に数の概念については苦労している子供たちも多いです。
「1個あるから1だよ」これは大人にとって当たり前の事でも、子供にとってうまく結びつかない事があるのです。
学習環境を整えるのは一朝一夕では成し得ませんので、子供のペースを尊重しながら進めていきましょう。