お子様の入学を機に、学習面で不安を感じている親御さんは、案外と多いものです。
大抵の場合、徐々に新しい環境にも慣れていきますが、文字が書けずに苦しんでいる場合、LDの可能性があります。
今回は、3タイプある発達障害LDの中から、ディスグラフィア(書字障害)について詳しく解説していきます。





ディスレクシアの特徴

LDの中の一つディスグラフィアとは、書字障害の事をいいます。
書字障害とは、文字が書けなかったり、文字を書き写せなかったりするものです。
文字を書く動作そのものが苦手という場合も少なくありません。
また、文字が読めても書けない人もいます。

具体的には次のような特徴があります。

  • 誤字脱字が多い
  • 鏡文字や書き順の間違いが目立ち、雰囲気だけで自分本位な文字を書いてしまう
  • 板書が苦手で時間がかかる
  • 漢字が苦手で覚えられず、学年別常用漢字を習得しにくい
  • 文字の大きさや形がバラバラで、1マスに収まらない
  • 適切な助詞の使い方ができない
  • 「。」や「、」など、句読点をつけ忘れる
  • 文字に余計な点や線を付け足してしまい、間違える

このように、書く能力において様々な困難が生じるのが、ディスグラフィアの特徴です。

ただし、これらの多くは勉強が始まった子供には割と頻繁に見られる現象です。
新生活に慣れるまで、しばらくは親御さんが宿題につきあいながら学習環境を整えていくと良いでしょう。
実際、マスいっぱいに大きな文字を書く事を良しとする教職員の方々も数多くいらっしゃいます。
したがって、しばらくは様子を見る必要があるでしょう。

様子を見てもあまり進展がみられない、不安が解消されないという方は「書く動作自体が苦手かどうか」を判断基準に、問題が無いか確認してみましょう。
学習障害において書く動作が苦手な場合、脳内で身体に指示を出して手を動かすという伝達機能がうまくいっていない可能性があります。

  • 文字のバランスを考えるのが苦手
  • 文字の幅を揃える、筆圧を調整する、文字と文字の距離感をつかむのが苦手

このような場合、筆算が始まると非常に苦労するでしょう。
気になる方は、そうなる前に専門機関を受診する事をおすすめします。

ディスグラフィアを治療するには

そもそも、LDは知的障害ではありません。
先天的な脳障害、特に、中枢神経のトラブルが障害を引き起こしているという説が有力です。
ですから現状、根絶治療する薬などはありません。
とはいえ、環境を調整したりやり方を工夫したりする事で対処法が見つかるケースがあります。
一人ひとり苦手が違う為、その子の困難に寄り添ったサポート体制を整えていく事が大切です。

そして、ディスグラフィアを克服していくためには、やはり、少しずつでも周囲の理解を得られるようにしていく事です。
たとえ学習障害を持っていても、「楽しく勉強する」可能性そのものを絶たれたわけではありません。

合理的配慮の一環として、板書を写真撮影させてもらったり、授業を録音させてもらったりなど、できる事から少しずつお願いしてみましょう。

まとめ

今回は、3タイプある発達障害LDの中から、ディスグラフィアについて詳しく解説しました。

ディスグラフィアの場合、文字を書く事全般に困難が生じます。
決して親のしつけの問題ではありませんから、むやみに怒る事のないようにしましょう。
学習障害の場合、できない事を責めるより、前向きな気持ちを褒めて伸ばしていくと良いです。
その子自身が、活字に触れる面白さを見出していけるような、ご家族のサポートも大切なのです。