新型コロナウィルスによる感染拡大がなかなか収まらず、経済への被害がどれほどなるのか想像を絶しています。

現在、緊急事態による自粛により多くのお店や人が集まる場所が休業されているなか、個人事業主・中小企業の経営者は本当に大変な状況でありこれからどうなるのか、リーマンショック時と何が違うのか考察致しました。

コロナショックとリーマンショックの状況は?

 新型コロナウイルスの影響が広がり、終息の兆しが見えない状況は、日常生活の不安だけでなく、経済状態を脅かすことにも繋がります。
経済的に不安が生じてしまう状態は、リーマンショック時も同様でした。
リーマンショックおよびコロナショックが発生した経緯や回復までの状況を、まずは確認しましょう。

リーマンショックが発生した時の状況とは?

 リーマンショックの状況を一言で言うと、金融市場で膨れ上がっていたバブルが崩壊した、ということです。
 読者の方の記憶には、アメリカの大手投資銀行である「リーマンブラザーズホールディングス」という社名が記憶にあることと思います。
 大手銀行の財政破綻がきっかけとなり、世界中が不況に陥ってしまいました。

 そもそも、不況のきっかけとなってしまったのは、本来ならば住宅ローンを組むことが難しい低所得者向けの住宅ローン、「サブプライムローン」です。
 住宅ローンを利用した投資商品として、当時は有名だったのですが、それも破綻により見方が変わってしまったことでしょう。
 その結果、過剰債務を抱えてしまう人が増えてしまったのです。
過剰債務を抱えてしまうような状態になってしまうと、積極的に消費行動をすることはできませんよね。

 個人の消費行動が減少するということは、企業の利益にも大きく関わってきます。
つまり、企業の経済活動にも影響が出てしまうため、利益が出ないと従業員の生活を保障することができなくなってしまうでしょう。
 企業の経営が悪化したところから、失業が増加し、不安定な状況が数年続くことになりました。

 失業や経済状態の回復は、すぐにできるわけではありません。
失われた7年」と表現されるほど、完全回復までに時間はかかったのです。
投資を行っている人の中には、当時の状況を思い出し、苦労したと語る人も少なくないですよね。

コロナショックの状況とは?

 コロナショックの場合は、中国の武漢が感染源と言われていますが、情報やまだ確立した治療薬の存在がないからこそ、根本的な対策ができていない状態です。
 現在、全世界でどうすべきなのか不安を抱えている状況です。
このように、誰もが感染してしまうリスクがある中で、安心して経済活動ができるとは言えないでしょう。

 新型コロナウィルスの感染が確認された武漢から始まり、瞬く間に世界中に感染が拡大していきました。
 各国でも、感染の拡大を防ぐために、外出の自粛や制限を設ける対策を、現在でも行っていますよね。
 しかし、外出の制限が出されるということは、今までのような自由な消費行動に制限がかかってしまうことを意味することになります。
 つまり、全世界で消費行動が停滞したことにより、経済状態が悪化したと言ってもいいでしょう。

 コロナショックの影響で深刻なのは、経済活動が無くなってしまったために、利益が得られない企業や個人事業主です。
 例えば、現在の状況では安心して飲食店で食事をする、ということは難しいですから、飲食店に行くのを控えてしまいます。
 結果として、利益が無くなってしまった飲食店は経営が困難になり、休業、最悪の場合は芸業を余儀なくされるでしょう。

 特に日本では、このような状態が多数報道されていますよね。

リーマンショックとコロナショックの根本的な違いがある

簡単に、リーマンショックとコロナショックの状況を確認したところで、今回の記事のテーマとなる違いを見ていきましょう。

一見すると、「経済状態が悪くなった」という点においては同じように見えるかもしれませんが、実は別物であることに、お気づきかと思います。
ここでは、2つの違いに触れたいと思います

コロナショックは外的要因で突如発生した

 リーマンショックが発生する前の状況と、今回のコロナショック状況には決定的な違いがあります。
 それは、不況状態になる前の経済状態がどうであったのか、という部分になるでしょう。
 例えば、リーマンショックの場合は、元々膨らんでいたバブルが崩壊して発生した状態になりますよね。
 つまり、どこかの時点でこの状態ではダメージを受ける、ということが認識できていた状況になります。

 後付けかもしれませんが、こうすれば防ぐことができた、という対応策があり得た状態だと言えるでしょう。
 そのため、予測できていた事態、とも言っていいかもしれません。
しかし、コロナショックの場合はどうでしょうか?

 日本の経済状態だけを見た場合は、消費税増税の影響もあって、良い経済状態だったとは言えません。
 この状態に関しては、みなさんも体感していたことと思います。
しかし、世界的に見ると、新型コロナウイルスが猛威を振るう前の経済状態に不安を抱えるような大きな出来事は、特段ありませんでした。
 従って、経済が悪化するような要因が、経済状況には見当たらなかったのです。

 コロナショックは、新型コロナウィルスの発生とともに世界中に広がっていきました。
 つまり、ウィルスの発生自体が原因になりますよね。
ですので、経済状態に何か問題があったから発生したのではない、というのがリーマンショックとの違いになるでしょう。
 突如として表れたものですから、予測できなかった事態です。

原因が違うと、取られる対応策にも違いが出る

リーマンショックとコロナショックの違いには、対応策が挙げられます。
 不況という状態になると、必ず何が原因となっているのか、それを解決するために必要なことは何か、というのを考えますよね。
 様々な要因で発生する不況を、1つの共通した対応策を行うことで解決できるとは言えないでしょう。

 リーマンショックの場合は、金融市場でのバブルが崩壊したということで、「金融危機」として捉えられました。
この状態では、金融機関が本来の機能を果たすことができないことを意味しますよね。
 そのため、本来の機能を取り戻せるように、対策としては「金融政策」に力を入れることにしたのを覚えているでしょうか?

 例えば、状況が芳しくない金融機関に支援を行ったり、同じような状況を防ぐためにリスク管理を強化するようにしたり、ということが行われました。
これは事態の元凶となって影響を受けてしまっている場所に、きちんとしたフォローを行ったことになりますよね。
 このような対策の結果、時間がかかっても立ち直ることができたと言ってもいいでしょう。

 一方で、コロナショックが発生してから今までの流れを思い出してみて下さい。
 各国では、国民への被害を防ぐために、ウィルスの蔓延対策に力を入れることになりましたが、結果として消費がストップした状態になりましたよね。
 その際に、海外では様々な保障を国民に対して行いました。

 このような保障を提供するという政策は、「財政政策」に当てはまります。
ここで、みなさんの中には金融政策で対応はしないのか、と疑問に思う人もいるでしょう。
 もちろん、金融政策での対応も必要ではありますが、そのタイミングは今ではありません。
 経済の回復のためにお金の流通を良くするとしても、個人の消費行動がなければ、お金の動きが停滞したままです。
 そのため、まずは国民や事業者に対しての保障というのが最優先になると考えます。

 最後に、このような対策における違いにも、両者に違いがあることを知って頂けたのではないかと思います。

参考

URL東証マネ部!

https://money-bu-jpx.com/news/article023870/