幼少期の子供には、集中力が足りない・考えずに行動してしまう等、少なからずADHDの傾向が見られるでしょう。
実際には、子供の約20人に1人がADHDを発症すると言われています。
ここでは、3タイプある発達障害ADHDの中から、不注意優勢型について詳しく解説していきたいと思います。






不注意優勢型の特徴と診断基準

一般的に、不注意優勢型は次のような特徴が挙げられます。

  • 忘れ物や紛失物が多い
  • ボーっとしていて人の話を聞いているのか分からない
  • 気が散りやすく、集中しにくい
  • 好きな事には没頭するが、切り替えがしづらい
  • 整理整頓やお片付けが苦手
  • 何かをやりかけていても完遂する事が少なく、ほったらかしにする

とりわけ女の子に多いとされる不注意優勢型ですが、このような特徴は、幼少期の子供にはよく見られるものです。

したがって、生後すぐにADHDと診断される事はありません。

とはいえ、次のような行動パターンが目立つ場合は、一つの診断基準としてADHDの可能性があります。

  • 抱っこを嫌がる
  • 寝つきが悪い
  • 寝返りが多い
  • 視線が合わない

以上が、後にADHDと診断された人に共通して見られるものです。

ただし、このような行動は、幼少期の名残として多くの子供にも見られるため、一概にADHDと結論付ける事はできません。

特に乳児期は見極めが難しいですから、慎重に経過観察するようにしましょう。

不注意優勢型の治療法

では、不注意優勢型と診断が出た場合、どのような治療法があるのでしょうか。

結論から申し上げると、ADHDを根本的に治療する薬などは存在しません。

ただし、現在では、ADHDを乗り越えるための療育・教育システムが整っていたり、症状を緩和させるための薬を処方してもらったり等、本人が安心して生きられるような環境を作る事はできます。

療育による治療の場合、社会的自立を目指し、ソーシャルスキルトレーニング、ペアレントトレーニング、環境調整といった手法が用いられます。

そこでは、本人の苦手な行動を調整し、適応力や得意分野を磨いていく事ができるのです。

薬物による治療の場合、治療薬は主に2種類あります。

ストラテラ(正式名アトモキセチン)、コンサータ(正式名メチルフェニデート)等です。

ただし、効果は服用している間のみとなりますので、医師と相談しながら使用する必要があるでしょう。

一昔前であれば「本人の甘えだ」「親のしつけの問題だ」等、多くの人にとって理解しにくい障害だったADHD。

現在、これだけ理解が進んでいるという事は、大きな進歩かもしれませんね。

まとめ

ADHDの辛さは、周囲からの理解を得られにくいところにあります。

ADHDの人を応援する環境作りが浸透しつつあるものの、まだ万全ではない事に今後の課題が見え隠れしているでしょう。

実際、ADHDは他の発達障害と合併して言葉の遅れが見られる場合もあるため、ことさら診断基準が難航を極めます。

適切な治療をしながら一人ひとりの得意分野を見極め、社会的に自立していけるよう、長い目で見守っていきたいものです。