発達障害とギフテッドを併合した「2E」(twice-exceptional)と診断された子供の子育ては、時として不安が付きまとう事でしょう。
しかし、親御さんが最も良き理解者になる事で、飛躍する子供が多いのも事実です。
今回は、6つあるギフテッドの得意分野の中から、「運動能力」について解説したいと思います。





運動能力を発揮するギフテッドの特徴

さて、運動能力を発揮するギフテッドの子供には、一体どのような特徴があるのでしょうか。
以下、主な項目です。

  • 優れた運動神経と操作能力を持っている
  • エネルギーレベルが極めて高い
  • 様々な体育の活動を楽しみ、難しいアスレチックなどの技に興奮する
  • 運動面において正確で、綿密性がある

いかがでしょうか。
ギフテッドの中でも運動能力を発揮する子供には、このような特徴が見られます。
定型発達の子供には感じられない良さが、そこにはあるでしょう。
特に、運動能力のギフテッドを持っている場合は、その差に気付くのも早いかと思います。
得意な運動面をのばし、尊重していきたいものです。

運動能力を発揮している発達障害の有名人

続いて、運動能力を発揮しているギフテッドの有名人をご紹介しましょう。

イチロー(プロ野球選手)

メジャーで活躍する、世界的にも有名なイチロー選手は、アスペルガー症候群ではないかという噂があります。
その噂が広まった経緯として、孤独な一匹狼を演じ、リーダーを務めながらも人間関係を構築していくバランス感覚が無い事、臨機応変(状況に応じたバッティング)が苦手な事、また、偏食で毎日カレーを食べる事などが挙げられます。

さらに、以下のような逸話もあります。
イチロー選手はいつも決まった焼肉のタレを使っているのですが、ある日そのタレを切らしてしまい、奥さんが別のタレを数滴混ぜた事があるそうです。
その時イチロー選手は、数滴加わった味の違いに気付いたと言いますから、とてもセンシティブですよね。

試合前は、準備の手順や道具にこだわり、他者の介入を許しません。
それから、勝利貢献という抽象的概念が理解できない事から、数字でマニュアル化しています。

野球の才能がずば抜けているのは、本人の努力はもちろん、何事にも妥協を許さない信念と、苦手に対するアプローチを工夫した事が功を奏したからではないでしょうか。

マイケル・フェルプス(プロ水泳選手)

マイケル・フェルプスは、史上最高の水泳選手として有名ですよね。
100m及び200mバタフライ、400m個人メドレーの世界記録保持者として君臨している、水泳界のレジェンドです。
さらにオリンピックメダル獲得数史上1位の記録を保持していて、今後もマイケル・フェルプスの記録を抜く水泳選手は出てこないのではないかと言われています。

そんな前人未到の彼も、実は、ADHD/ADD(注意欠陥多動性障害)であった事を公表しています。
幼稚園の頃からじっとしていられず、落ち着きがない子供でした。
しかし、ADHDに対して処方されるリタリンをやめるほど大好きな水泳に出会えたことで、彼の人生は変わりました。
数年後、15歳で最年少記録を樹立する選手に成長したのです。

まとめ

今回は、6つあるギフテッドの得意分野の中から「運動能力」について解説しました。
世界で活躍する選手たちは、常人には理解できないところがたくさんあるでしょう。
しかし、子育てをする上では、本人のこだわりや偏りを受け入れ、快い関係性を築き上げていく事が大切なのだと思います。
保護者としては、本人の気持ちをうまく汲み取れるように努力したいものですね。