我が子にADHDの診断が出たら、どのように接していけばよいのでしょうか。
まずは親御さんが、ADHDの子供の心の扉を開いてみる必要があります。
うまく対処する事で、お互いの生き辛さを軽減できる事もありますから、ぜひ一度目を通してみてください。
今回は、ADHDに関する子育ての困難や対処法について、ご説明したいと思います。





ADHDの子供ならではの困難や育てにくさ

さて、ADHDの子供には一体どのような困難や育てにくさを感じるのか、主な項目について見ていきましょう。

  • 部屋を片付けられない
  • 落ち着きがない
  • 忘れ物が多く、宿題をやらない
  • 癇癪(かんしゃく)を起す
  • お友達に乱暴してしまう
  • 声のボリュームが大きく、いつもお話ししている

いかがでしょうか。
ADHDは「不注意優勢型」と「多動性衝動性優勢型」と「混合型」に分かれ、各々症状に違いがあるため、当てはまる項目もあれば当てはまらない項目もあるという人が多いでしょう。
ちなみに、混合型の場合、不注意優勢型と多動性衝動性優勢型を併せ持った症状が出ます。
症状の出方にも個性があるという事ですね。

対処法

では、上記のような子育てにまつわる困難に直面した時、親御さんはどう対処していけばよいのでしょうか。

まず、「部屋を片付けられない」「落ち着きがない」「忘れ物が多く、宿題をやらない」という困難は、不注意優勢型に多く見られる症状です。
生活にまつわる項目がことごとくできないとなると、育てる方も骨が折れますよね。
しかしながら、親御さんの方でもできる工夫はしていく必要があるでしょう。

例えば、部屋を片付けられないのであれば、仕分けボックスを用意し、物を所定の場所へ片付けやすいようにしましょう。

落ち着きの無さは、実は、不慣れな場所に対する緊張や不安からきています。
したがって、刺激の多い場所で顕著にその症状が出やすくなります。
そこで「じっとしていなさい!」などと叱咤しては逆効果です。
たとえ2~3分でも、じっとしていた事を褒め、こまめに動き回れる時間を設けてあげる事が大切です。

忘れ物や宿題に関しては、定型発達の子供でも困難な項目ですから、あまり目くじらを立てないようにしましょう。
一緒に明日の準備をしたり、隣に並んで一緒に宿題をやったりなど、自立の手助けをしていく必要があります。

次に、「癇癪を起す」「お友達に乱暴してしまう」「声のボリュームが大きく、いつもお話ししている」という困難は、多動性衝動性優勢型に多い症状です。
他のお友達に迷惑がかかるのではないかと、ひやひやしてしまいますよね。

癇癪や乱暴、場違いなおしゃべりに関しては、はじめに、本人の気持ちを汲み取る事を優先してあげてください。
たとえ一方的に我が子に非があったとしても、感情的に叱らないようにしましょう。
その上で、本人が達成可能なルールや目標を設定してみます。

ADHDの子供はご褒美があると頑張れるという特徴がありますから、小目標をクリアするごとにささやかなご褒美を与えるというのもありです!
例えば、目標を達成できた日はシールをもらえるなど、ほんの少しのご褒美がやる気につながる事もあります。
ご褒美となる報酬を、一緒に買いに行くのも良いでしょう。

まとめ

今回は、ADHDに関する子育ての困難や対処法についてご説明しました。
子供の目線に立って、一つの目標をクリアする喜びに目を向けてみてはいかがでしょうか。
また、上記以外にも様々な悩みがあるかもしれません。
子育てに困難を感じたら、早めに専門機関に相談してみましょう。