皆さんは、自閉症の人が普段どのような事を考えて生きているのか、想像できますか?
アメリカの重度自閉症の少年イド・ケダーさんが自叙伝を発表してからというもの、徐々にその深層が明らかになってきました。
今回は、著書『自閉症のぼくが「ありがとう」を言えるまで』から、仮面をつけて生きる理由についてお伝えします。






自閉症の人が仮面をつけて生きるワケ

自閉症の人は、その場に応じた表情を作るのが極めて難しいとされています。
具体的には、みんな泣いている時に笑ってしまったり、怒ってしまったり等、その場に合わない表情をしてしまうのです。

「空気が読めない人だなぁ。」
「それって、社会性が欠如しているのでは?」と、思う人もいるかもしれません。
でも自閉症の人にとって表情考察がいかに難しいか、実際の文章を読むと、おわかりいただけるかと思います。

以下、本の内容を抜粋しました。

「ぼくの顔はほんとうの感情を隠す仮面だ。
無表情で落ち着いているように見えていても、内心はそうじゃない。
笑っていたり、悲しんでいたり、あきれて目をくるりと回していたり、興味津々だったり、興奮したりしているかもしれない。
それでもぼくの顔は無表情だ。

『自閉症のぼくが「ありがとう」を言えるまで』イド・ケダー著/ 入江真佐子訳/ 飛鳥新社

この記述から、自分の感情をうまくコントロールができない事が分かりますよね。
イドさんの場合、感情とは違う表情が出てきてしまい、自分でもうんざりしているようです。
特に、緊張するようなシーンで笑いがこみあげてくる事も多いといいます。
しかしそれは、決して茶化しているわけではありません。
誤解の無いようにしていきたいものですね。

本人の努力を褒めていこう

重度の自閉症の場合、意思疎通が苦手です。
となると、簡単に言って聞かせる事が難しい為、社会性が求められるようなシチュエーションでは、しばしば注目を浴びてしまうでしょう。

しかしながら、心のケアは必須です。
なぜなら、心では分かっていても、うまく表情に表せないからです。
それは、本人にとっても非常に苦しい事でしょう。
事実だけを紡いで、できなかった事を追い詰めると、さらに心の扉が閉ざされてしまいます。

少しでも社会性を身に付けさせなくてはいけないからと、保護者が義務感に駆られてしまうよりも、本人の努力にフォーカスを当て、目標に向かって努力する姿勢を褒めるようにしましょう。

まとめ

今回は、イド・ケダーさんの自叙伝から、自閉症の方が仮面をつけて生きる理由について解説しました。
ここで言う自閉症患者の仮面とは、相手にとっても自分にとっても嘘の表情だったのです。
特にイドさんの場合、その場に合わせた表情というのが、分かっているのにできない場合も多々あるという事でしたね。
その為、誤解の無いようにしていきたいものです。
努力を褒めてくれる理解者がいれば、安心して過ごす事ができるでしょう。