LDが発達障害として認知度を高める以前は、発症している本人でさえ「自分はバカなのではないか?」と、落ち込んでしまう事も少なくありませんでした。
LDの場合、集団生活の中で“認められない辛さ”を経験してしまいますから、できる工夫はしていきたいですよね。
本記事では、NHKの番組『発達障害って何だろう』へ寄せられた投稿から、読み書き計算が苦手な人の悩みと対処法をご紹介します。
読み書き計算が苦手なのはどうして?
読み書き計算が苦手な発達障害、通称「LD」は、読み・書き・計算におけるどれか、あるいは、複数に極めて強い困難が生じます。
しかしながら、知的障害とは違い、知的発達の遅れはありません。
ここで認識しておきたいのが、数字や記号の理解やマルチタスクの処理上の問題からその症状が発生しているため、本人の努力不足ではないという事です。
では、読み書き計算が苦手とは一体、どのような状況なのでしょうか。
早速、投稿の方をご紹介しましょう。
「計算ができなくて算数が大の苦手。字の間違いが多くて国語も苦手。単純な足し算とかでも頭が真っ白になります。誤字脱字はどんなに努力しても治りません。私はふつうの人と同じことはできないんだ、そう悟ったとき一気に楽になりました。みんなと同じことをしない、ちょっと変わった人、変な人でいる勇気を持つ、そこが発達障害者自身の唯一の頑張りどころと思う。」
(変な子 女性40代 海外 当事者)
LDの場合、こちらの「変な子さん」のように、やってみてその困難に気付いた人が圧倒的に多いようです。
そして、努力しても治らないという挫折を味わった結果、発達障害だったと分かり、気持ちが楽になったという人がたくさんいるのです。
読み書き計算が苦手なタイプの対処法
では、読み書き計算が苦手な場合は、どのように対処していけばよいのでしょうか。
「読み」が苦手な場合
- 全体ではなく、一部分だけを見て読むようにする
- 音声読み上げのアプリケーションを利用する
- DAISY(デジタル録音図書)を利用する
- 教材は、フォントの色と背景のコントラストを弱くし、知覚過敏を避ける
「書き」が苦手な場合
- 文章はコピー・アンド・ペーストしたり、テンプレートを使ったりする
- 漢字は部首に分け、声に出して耳からも覚える
「計算」が苦手な場合
- 暗算ではなく、筆算をする
- 電卓を使う
上記の対処法を参考にしながら、生き辛さを軽減してみる事をおすすめします。
子供がLDの場合は、学校の先生や医師、児童発達支援施設に相談しながら、今後の方針を決めていきましょう。
まとめ
今回は、発達障害の人の困りごとの一つ、「読み書き計算」について解説しました。
LDの場合、幼少期は自分の障害に気付かず、後になって発覚したというケースが多いです。
その間、周囲が当たり前にできる事ができず、劣等感にさいなまれるのは非常に苦しいですよね。
今は便利なアプリケーション等が数多くありますから、上手く活用していきましょう。
そして、LDに対する理解をもっと深めていきたいものです。