本音を言うと、「大勢で雑談するのが苦手なんだよなぁ…」という人も、案外と多いのではないでしょうか。
発達障害の人の中には、そういった社会性について困難を抱える人が沢山います。
本記事では、NHKの番組『発達障害って何だろう』へ寄せられた投稿から悩みを抽出し、大人数の場でどのように振る舞うべきか考えてみましょう。

大勢での雑談が苦手なのはなぜ?

“大勢のコミュニケーションの場”というものが、元来、苦手な人がいますよね。
その場にいるだけで疲れ切ってしまう、という意見をよく耳にします。
発達障害の特性の一つにも、そういった社会性にまつわる困難があるのですが、何故そのような事態に陥るのでしょうか。

まずは、番組ホームページへ寄せられた投稿をご紹介しましょう。

「私は自閉症とADHD混合型発達障害持ちの20代女性です。私は三人以上での会話に困ってしまいます。自分の頭の中を整理するのに時間がかかるのと、いざ話すとなると複数人だと緊張してしまい頭が真っ白になってしまいます。周囲の人にはゆっくり、単純な言葉でわかりやすく話してもらうようにしてもらっています。また、事前に発達障害があることを伝えるようにしています。」
(さりー 女性20代 北海道 当事者)

参考URL:
https://www1.nhk.or.jp/asaichi/hattatsu/torisetsu/cat_chat.html

こちらの「さりーさん」のように、大人数になった途端、一気に心拍数が上がってしまう人が多いようです。

続いて、こちらの投稿も見ていきましょう。

「5人以上で雑談している時、話の内容を理解する、自分の意見を考える、発言する、というプロセスが遅く、会話に入るタイミングを失ってしまいます。そのため、ずっと黙って話を聞いて笑っているだけになってしまいます。「楽しくないの?」と聞かれることがよくありますが、楽しくないから話さないのではありませんので、誤解しないでいただきたいです。」
(ティッシュ 20代 千葉 当事者)

参考URL:
https://www1.nhk.or.jp/asaichi/hattatsu/torisetsu/cat_chat.html

この「ティッシュさん」の投稿から、本人はコミュニケーション自体に、否定的になっているわけではないという事が分かりますよね。

ただ、発達障害の人の場合、他人の気持ちを汲み取るという行為や、あいまいな言葉の解釈が非常に困難な事から、大人数の場では会話の輪に入れず、生き辛さを感じてしまっているのです。
実際、「楽しくないから黙っているのだろうな…」と、誤解されがちですが、決してそうではないという事を覚えておきましょう。

では、大勢のコミュニケーションの場では、どのように立振る舞うとよいのでしょうか。

大勢で雑談するのが苦手なタイプの対処法

大勢のコミュニケーションの場が苦手な場合、以下のような対策を取るとよいでしょう。

  • パーティなどは出席を控え、別の形で感謝の意を表す
  • 大人数の場でも、少人数のコミュニケーションを心がける
  • 話し上手より、聞き上手を目指す
  • 悪口や愚痴などが始まったらトイレに行くなどし、その場から離れるようにする

大人数のコミュニケーションの場では、このような対策を取ると、乗り切る事ができるでしょう。

まとめ

今回は、発達障害の人の困りごとの一つ、「大勢での雑談」について考えていきました。
発達障害の場合、いわゆるグレーゾーンが理解できず、意味のない会話を集中して聞くのが難しい状況にあります。
要は、建て前が苦手なのです。
そういった場では聞き上手に徹し、無理をしない事が大切だと言えるでしょう。