皆さんの周りに、いつも遅刻をしている人はいませんか?
これもまた、発達障害の特性の一つなのです。
タイムキープの観念が欠落していると言えばそれまでですが、彼らの困難の背景には何があるのでしょうか。
本記事では、NHKの番組『発達障害って何だろう』へ寄せられた投稿から、遅刻について考えていきたいと思います。

いつも遅刻してしまう理由

発達障害の特性の一つとして遅刻が挙げられるという事を、皆さんはご存知でしたか?
これは、自己管理能力の甘さを問われるため、社会的に見るとかなり困難な特性のうちの一つなのではないでしょうか。
では早速、番組ホームページへ寄せられた投稿をご紹介しましょう。

まずは、当事者の投稿です。
「支度に時間がかかる、時間の目測を誤る。予定時刻が迫らないと動く気なれない。出かける直前に、携帯や財布を忘れる。忘れ物をして取りに戻る。どうしてそんなことも出来ないの?だらしがない!と子供の頃から言われ続けている。最近は、ノートに書くようにしている。1週間、1日単位で予定を書き出し、逆算して何日、何時までに何を終わらせたらいいか。何を持って行くのか、他の家族の予定も併せて書くことでかなり改善されました。」
(はるこさん 女性40代 秋田 当事者)

次にご紹介するのが、遅刻する子供のいる親族の投稿です。
「アスペルガーの中学生の娘です。朝の学校へ行く準備もままならず、毎日ギリギリまでねています。小学生の時、なかなか起きられなくて、父親から「◯◯(娘)は10時間寝ないと起きれない」と言われたのが、中学の今でも思っているようで、21時には寝ないといけない、と周りを巻き込んで少し迷惑です。家での勉強もできません。歯磨きも嫌がり、髪の毛もボサボサで学校へ行きます。見た目も少し気にしてもらいたいです。」
(がんこちゃん 女性40代 広島 当事者の家族・親族)

参考URL: https://www1.nhk.or.jp/asaichi/hattatsu/torisetsu/cat_late.html

やはりというべきか、彼らに対する風当たりは相当なものですね。
しかし、遅刻となると周りを巻き込む事態になりますから、親族の方々の心労もまた大きいでしょう。
上記のような場合は、どのような対処法が有効でしょうか。

遅刻がなおらないタイプの対処法

上記の「はるこさん」や「がんこちゃん」の場合を見ても分かる通り、対処するには、ご親族の方々の協力が必要になるかと思います。
その上で、普段どのような事を心掛けていくべきか、ご紹介しましょう。

自分でできる工夫の中には、以下のようなものが挙げられます。

  • 前日に準備を済ませておき、朝のタスクをできる限り減らす
  • 目覚まし時計や携帯のアラームを複数セットする他、光で知らせてくれるツールなど、音以外の目覚まし機能を併用する
  • To doリストを作成し、時間をうまく使うようにする
  • 5分前行動ではなく、30分前行動を心がける

周囲ができる事の中は、以下のようなものが挙げられます。

  • 要所ごとにタイムリミットを設けるようにする
  • 趣味の時間を朝に持ってくるようにし、夜更かしをさせない
  • スケジュール表を作成する

いかがでしょうか。
このような工夫をする事で、克服した方々もいらっしゃいますので、是非参考にしてみてくださいね。

まとめ

今回は、発達障害の人の困りごとの一つ、「遅刻」について考えていきました。
時間と予定の管理が難しい事や、注意力や集中力の偏りから、いつも遅刻してしまう人は案外と多いものです。
それでも、周囲のサポートを得ながら今は自立しているという人もいますので、親族の方々は、そういった事を生活習慣の中から一つひとつ教えてあげられるとよいですね。