テレビやネットニュースなどでは、毎日新型コロナウイルスのPCR陽性者数が発表されています。
また、全国各地でPCR検査センターが稼働し始めてから久しいですが、そもそもPCR検査とは、一体どういったものなのでしょうか?
ここからは、PCR検査の詳細について解説していきたいと思います。
PCR検査の概要
PCR検査は、正式名称を“ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction)”といい、ウイルス等の遺伝子を増幅させ、検出する技術を指しています。
主に検査時点で、体内にウイルスが存在するかを調べるときに用いるもので、鼻や咽頭を拭って細胞を採取し、検査を実施します。
新型コロナウイルスのPCR検査では、ウイルスに特徴的な遺伝子の配列を検出し、陽性(+)もしくは陰性(-)で判定します。
また、PCR検査の感度は70%程度とされていて、検体採取を行った箇所にウイルスが存在しなかった場合などは、感染していても陰性となってしまう場合があります。
そのため、検査機関によっては、ウイルスを検出できなかったケースを“陰性”とせず、“検出せず”と表現することもあります。
PCR検査を受けるには?
PCR検査を受けるには、有料のクリニックや病院などの医療機関、PCR検査センターを訪れるのが一般的です。
医療機関の場合、保険診療もしくは自由診療のいずれかで受けることができ、予約なしでの当日検査に対応している医療機関と、予約が必要な医療機関があります。
また、PCR検査センターは民間企業によって運営されていて、都市部を中心にさまざまな場所で開設されています。
PCR検査は、検査キットでも受けることが可能です。
こちらは、ドラッグストアや薬局で市販されている検査キットを使用し、自宅で唾液を採取して、検査会社に郵送するというものです。
PCR検査の流れ
クリニックや検査センターで実施されるPCR検査の方法には、唾液検査、鼻腔検査、鼻咽頭検査の3種類があり、それぞれ具体的な方法や流れは異なります。
唾液検査は、まず口の中に唾液をため、ある程度たまったら容器に吐き出します。
同じことを繰り返し、2mlほど唾液がたまったら、フタを閉めて完了です。
このとき、専用のストローを使用し、容器の中に唾液が自然に流れるようにためるのがポイントです。
ちなみに、唾液検査を行う場合、採取前の1時間は飲食、歯磨き、うがいを行ってはいけません。
鼻腔検査は、鼻の穴の入口から2~3cmほど綿棒を入れ、粘膜を擦り採取します。
鼻咽頭検査ですが、こちらはインフルエンザ検査のときと同じように、鼻の奥まで綿棒を入れ、粘膜を擦って採取します。
唾液検査や鼻腔検査よりも若干精度は高いとされていますが、痛みを感じやすいのが欠点です。
クリニックによって異なりますが、一般的にはこれらの検査を受けた日の翌日もしくは翌々日までには検査結果がわかります。
PCR検査のメリット・デメリット
PCR検査のメリットは、なんといっても感染源を管理することで、感染拡大を防止できるという点です。
また、重傷者への迅速な対応にもつながりますし、たとえ検査の結果陰性であったとしても、その検査対象者の方は、検査後数日間の低感染性が証明されます。
一方、PCR検査の結果により、陽性者が増加することで、社会対応が逼迫する可能性もあります。
こちらは、残念ながらデメリットというしかありません。
その他、偽陽性でも管理対象となる方が出てきたり、偽陽性または潜伏期の感染者の活動が、感染拡大につながったりすることも考えられます。
最後に
ここまで、PCR検査の詳細について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
PCR検査は、必ずしも正確な判定が出るとは限らないものの、もっとも早く新型コロナウイルス感染者を見つけ出すことができる検査であることは間違いありません。
また、個人の重症化を防ぐという意味でも、気になる方は積極的に検査を受けることをおすすめします。